我々は青年会議所の一員として、何をしていかなくてはならないのか。今から58年前、この街を豊かな街へと創造するという、強い志を持たれた先輩諸氏により倉吉青年会議所は、全国で第208番目の青年会議所として創立されました。そして現在に至るまで、その時代の社会情勢、生活の変化に対応していくように、それぞれの時代に求められている理念を掲げ、その中で「英知と勇気と情熱を持ち、明るい豊かな社会を築く」という揺らぐことのない運動目標のもと、様々な運動を起こし、この地域の発展に寄与されてきました。「明るい豊かな鳥取県中部の創造」は、今も昔も変わる事のない、我々が青年会議所会員として目指していかなければならない目標です。しかし、所属会員数・新規入会会員数の減少と、それに伴い入会年数の浅い会員数の割合が増加していくという軽視できない現状があり、青年会議所に在籍しどのような運動を起こしていきたいのか、運動目標を達成する為の手法を見出し、それを具現化していくにはどのようなアクションを起こせばいいのか、又、組織内部においても青年会議所の運営システムを学ぶ為の時間も十分にありません。そのような状態で役を任命され、多くの資料作成に時間を使い、定例スケジュールをこなすことに労力を費やし、本来の目標でもある「明るい豊かな鳥取県中部の創造」を達成する為の運動を構築する余裕が少ないというのが、倉吉青年会議所の現状ではないかと感じます。
時間とは全ての人に平等に与えられているもので、1年365日、1日24時間という限られた時間を、我々はどのように使っていくのか。それぞれが、家庭、社業に時間を費やしている日々の中で、青年会議所活動に費やせる時間がどれだけあるのか。家庭が大切だから家族との時間を大切にし、生活していくため私たちは仕事をしています。各会員が限られた貴重な時間の中でそれぞれ大切なものを守りながら、青年会議所活動に対し今抱いている価値を高めると共に、新たな価値を見出し様々な事業を展開できるよう、新しい変化を起こさなければなりません。先輩諸氏が築き上げてこられた運動、この街への思いを受け継ぎながら、今の時代にあった我々の新しいスタイルを確立する時ではないでしょうか。そして「明るい豊かな鳥取県中部の創造」を目指し、「奉仕・修練・友情」のもと、会員一人ひとりが情熱を持った組織として、一年間邁進して参ります。
近年、我々倉吉青年会議所は、会員数の減少と共に経験豊かな会員が卒会していく中、在籍年数5年にも満たない会員が、全体の80%を占めているという現状があります。このような状況下において、我々の目標を達成していくには、時代に即した組織運営へと革新していくことが必要です。これまで活動の真意を変えることなく、現行システムの効率化を図り、事業構築を行う為に費やせる時間の幅を広げることで、「個」の思いを尊重し、魅力ある事業を展開していくための基盤を確立します。
我々は青年会議所会員として、この街をより豊かな街へと未来を創造していく為に様々な運動を起こしていかなくてはなりません。その中で色々な経験をし、仲間との絆を深めることが、情熱と実行力を持った人財へと成長させていくのです。会員一人ひとりの成長は、この組織の強化へと繋がります。青年会議所会員としての志を高め、一人ひとりが今持っている価値観を高めると共に、規律・礼儀を遵守しながら、より英知と勇気と情熱に溢れた組織へと成長していきます。
近年から悩まされている会員数の減少問題をどのように改善していくのか。今だからこそ組織として団結し、改善していかなくてはなりません。全会員が会員拡大に対する共通意識を持ち、又、様々な情報を共有する為にも会員拡大会議を定期的に実施します。その中で、拡大を行う為の新たな事業の構築、手法についての検討を組織全体で取組み、会員数の増加を目指していきます。
この地域の方々に、青年会議所という組織はどのような活動をしているのか、どのような組織なのか、どれだけ知られているでしょうか。今まで様々な会員拡大運動を行ってきましたが、拡大を実現する為にまずは、青年会議所のことを知ってい頂くことが必要ではないかと考えます。「百聞は一見にしかず」という言葉の通り、一般参加者と共に事業を構築し、実施することが、私たちの運動を理解して頂く為の最善の機会になると考えます。共に手を取り合い、事業を計画・実施することで、私達の運動への理解と共感を抱いて頂き、この地域を活性化させていく為の仲間を増やしていきます。
2016年10月21日鳥取県中部を震源地とした「鳥取県中部地震」が発生しました。今では震災復興も進み、この街も活気を取り戻してきましたが、発生当初は、被害の大きさに落胆し、復興の見通しさえつきませんでした。倉吉青年会議所としても、様々なボランティアを行ってきましたが、深く心に残っているのは、鳥取県内外各地青年会議所より沢山のご支援を頂いたことでした。私自身、熊本地震の際は被災地へ行き、活動して参りましたが、その時は被災された方の不安な思い、「遠くから来てくれてありがとう」という言葉を頂き、胸をうたれました。そして、鳥取県中部地震の際は、自分も被災者となり、被災することがどれだけ不安なのか身を持って体験しました。自然災害の多いこの日本で、決して他人事とは思わず、私達の為に支援に来て頂いた方々への恩返しと思い、誰かの為に率先して行動する。奉仕、友情の気持ちを強く抱き、人を想いやる事のできる人財が集まる組織となる為に、まずは災害時における組織内部連携・個々の役割を明確にし、緊急時にも迅速に対応できる体制を構築する事を目指します。又、被災地の視察などを行い、会員個々の被災地支援意識の向上を目指します。そして大規模災害への備えとして、外部との連携がとれる体制の構築を目指します。
昨年度、第40回という節目を終えたこの大会は、45回大会、50回大会へ向けて、新たな1歩を踏み出します。この桜ずもうという大会は、ただの相撲大会ではありません。開催趣旨でもある「第53代横綱琴櫻の顕彰と青少年の健全育成」という目的があり、先輩諸氏は40年もの間、この目的を見失うことなくこの相撲大会を開催されてきました。
だからこそ、この大会は地域の子どもたち、そしてこの街の方々に愛され、様々な人に支えられて、これまでの歩みを続けてきたのだと確信しております。次代へ向けての新たな一歩となるこの大会で、琴櫻の顕彰と青少年健全育成という目的を決して見失う事なく、独自のアイデアを持ち、新たな切り口でこの事業を展開し、次代へと繋いでいける大会を開催します。
人が何か新しいことを試みる時は、一度は必ず躊躇するでしょう。新しく踏み出す一歩には常に不安がつきまとい、精神的・体力的な辛さを感じ、そして色々な迷いを抱えるからです。しかし、パナソニックの創立者、松下幸之助の言葉に「とにかく、考えてみることである。工夫してみることである。そして、やってみることである。失敗すればやり直せばいい。」という言葉があります。人は、現状に満足し日々同じことを繰り返していても成長しません。何か取り組めるものを見つけ、それを成し遂げるために、色々な事を考え、一心不乱に実行する。例え結果が良くとも、悪くとも必ず自分の成長に繋がるはずです。
まずは、明るい豊かな鳥取県中部の実現のために、私達一人ひとりが臆することなく勇気を持って、その一歩を踏み出しましょう。例えそれが辛い一歩だとしても、その過程で得られるもの、家族に支えられ活動していることへの感謝の気持ち、新たな知識・経験、そして自分自身と共に歩んでくれる仲間、それは自分自身の自己成長へと繋がり自信へと変わります。
そして、一人ひとりが自己成長を遂げた時、また新たな目標が見えてくるはずです。自己成長に終わりはなく、現状に満足することなく歩みを進めていくことが、この地域のためになり、自分のためになるのです。その過程の中で倉吉青年会議所はこの地域を先導するリーダーの「個」の集団へと変化を遂げるでしょう。その為に今年一年、志同じ仲間同士力を合わせ、明るい豊かな鳥取県中部の実現のための一歩を、共に築きあげていきましょう。
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