2017年度理事長をさせて頂けるのは55年という長きに渡り倉吉青年会議所を支え運動し続けて頂いた先輩諸氏の皆様のおかげでございます。今、我々は当たり前にこの運動を行っておりますがそれは当たり前ではありません。55年前、倉吉青年会議所を立ち上げられた先輩諸氏の情熱、信念、地域に対する想いはどれほどのものだったのか、我々現役は到底知る事が出来ません。しかし、勇気と情熱を持ってこの倉吉青年会議所を立ち上げて頂いたお陰で私は理事長をさせて頂くことが出来たのです。
どうすれば私たちの暮らす街が活性化し、暮らしやすい地域になるのでしょう。誰かが地域を変えてくれる、誰かが地域を良くしてくれる、誰かが地域を繁栄させてくれる、そう思っている人がほとんどではないでしょうか。誰かとは誰でしょう、それは貴方です。他人任せにすること無く貴方自身が勇気を持って切り開いていくのです。難しい事をする必要はありません。ほんの小さな事で良いのです。この地域が活性化し住み暮らしやすい街になる事、それはこの地域に住む全ての人の願いです。個人の力だけでは出来る事は限られています。しかしこの地域に住む人たちが勇気をもって一歩を踏み出し、この地域の為に運動をしたらどうなるでしょうか。個人の力が、大きな力となり、その大きな力が将来この地域を活性化するはずです。他人任せにせず、個人一人ひとりが、この地域に責任と誇りを持ち、行動を興す事こそ地域を変えていく事になると確信しております。
その為に、まず我々メンバーが率先してこの地域の模範となるべく成長し運動を展開する事は必須です。青年会議所運動とは自分自身で時間を作りその運動をしていかなくてはなりません。時間の束縛も必ずあります。不安に感じているメンバーもいるはずです。しかし出来る事が各々で必ずあります。勇気を持ってその一歩を踏み出しましょう。貴方の一歩とは、決められた委員会に例会に参加する、それだけでも良いのです。唯一つ、気持ちに心を込めて参加して頂きたい。義務だから、誰かに「行け」と言われたから、そのような気持ちを持つことなく自らの意志を持って参加して頂きたい。青年会議所の目的とは「明るい社会の実現」です。しかし、その目的に達するには思うだけでは達成する事はありません。その想いを行動に移す事それこそが貴方の一歩になるのです。想いを行動に移す、それには様々な困難が伴うでしょう。だからこそ青年会議所運動に自分自身がどのように向き合い行動を起こしていくのか、それだけではないでしょうか。メンバーそれぞれが各々の会社で働き、家庭を持っているメンバーもいます。仕事が終われば休みたい、遊びたい、子どもたちと一緒にいたい、そう思うことは何ら不思議ではありません。しかしその時間を敢えてこの青年会議所運動に使う事に誇りを持って頂きたい。貴方たちは勇気を持ってその一歩を踏み出して頂いた。その勇気ある一歩を、今自分自身が出来る事を自分自身で向き合いその答えを自分自身で見つけて頂きたい。私自身も2017年度理事長として自分自身に向き合い、新しい一歩を踏み出せる事に誇りを持ち、青年会議所運動に邁進いたします。
倉吉青年会議所が継続事業として行ってまいりました桜ずもうも39回目を迎え来年にはいよいよ40回という大きな節目を迎えます。この桜ずもうは第53代横綱琴櫻関の顕彰と青少年の健全育成を目的に行われてきました。私は2005年度入会で初めて桜ずもうを経験した時に心に強く残っている事があります。先代佐渡ヶ嶽親方が子どもたちの前で「みんな、お父さんやお母さんに感謝してる、親孝行してる」と優しい顔をして語られておられました。その御言葉には今こうして土俵に上がれるのは「子どもたちが土俵に上がれるように、ずっと支えてきた両親、家族、学校の先生や、相撲の指導者の力添えがあった事を忘れてはいけないよ」そんな想いも込められていたのではないでしょうか。人間は何かをしたくても一人では何も出来ません。支えてくれる人、機会を与えてくれる人、叱咤してくれる人、優しく包み込んでくれる人、そんな様々な人達がいるからこそ、そしてその想いを持ちこの桜ずもうを続けてきた人達がいたからこそ、長きに渡り継続してきたのです。今年度も子どもたちに感謝の想いを伝えそしてこの地域に今後も愛される大会を開催致します。
未来を担う子どもたちに我々が出来る事。それは共に汗をかく事、共に笑い合う事、共に喜び合う事、共に悲しむ事、そしてお互いが理解し合う事ではないでしょうか。時代が昭和から平成に変わり、子どもたちの育成も時代と共に変わってきました。学校の勉強や、家の手伝いを昭和の時代では自分たちの力でやっていた事が今は必ず誰かに力添えをしてもらっている。平成になり、子どもたちの育成とは子どもたちにどのように力添えをするのかに、重きを置いている時代になったのではないでしょうか。子どもたちに力添えをする事は決して間違いではありません。しかし本当に大切な事は子どもたちに力添えをする事ではありません。我々の成長していく姿を子どもたちに見せていく事が真の青少年の健全育成だと考えます。成長する姿とは、企業や家庭だけではなくこの地域に必要とされる人財になる事に他なりません。理解されない事もあるでしょう。しかし5年後、10年後、更にその先の未来に向かってこの地域を活性化させるリーダーを輩出し続ける事こそ、我々の使命なのです。リーダーとは言いにくい事も、厳しいことも、叱咤することも率先してやらねばなりません。批判される事も多々あることでしょう。しかし、その困難を乗り越えようとする強い意志と行動を起こし、その姿を見せる事こそ我々や、そしてこの地域を担う青少年の育成に繋がるのです。
今年度、倉吉青年会議所は5名の卒会者を迎えます。いよいよ会員数が15名を下回り、青年会議所メンバーも入会3年未満と若いメンバーが多くなります。今後、青年会議所運動を展開する為には、会員拡大は必須です。どんなに高い志を掲げる団体であっても、会員が居なくなればその志を達成する事は出来ません。近年、景気の停滞と共に地域企業からの人材の輩出が減少し会員数は年々減少傾向に成っています。しかしこんな時こそ我々がこの地域を引っ張っていかねばなりません。その為には、各地域の企業、そしてこの地域を想う青年に我々の運動の魅力や意義を伝えていく必要があります。我々、青年会議所がこの地域に必要な人財を輩出するという強い意志を持ち、行動を率先して行くことが会員拡大に繋がる事になるのです。さらに会員を増やすだけではなく、組織力の向上も重要課題になります。入会3年未満のメンバーが大半になる事により、組織力の弱体化が懸念されます。組織力向上のために何が必要か、やはりそれは経験ではないでしょうか。青年会議所は単年度制です。1年、1年無駄にすることなく新しい役職、役割になる事で様々な経験をします。事業や例会を行う事であったり、日本、地区、ブロックの各会議や事業に出席したり、地域のイベントや、他団体のイベントに出席したり多種多様な経験をする事が出来ます。経験する過程で会に出席する。事業に出る。イベントに参加する。その時間は自らが作らねばなりません。また様々な資料の作成や事業の準備、そして組織の運営に困難な時もあるでしょう。しかし、その困難を乗り越え、一歩また一歩成長の階段を登って行き、新しい気づきを見つけその経験を糧とする事が、組織力向上に繋がると確信し、1年努めてまいります。
「近年、会員相互の交流は出来ているのであろうか?」確かにメンバー内での交流は比較的に出来ているのかも知れません。しかし、メンバーを陰から支えて下さる家族の交流は、そして他団体、他の青年会議所との交流はどうだろうか、疎遠になってきてはいないだろうか。日々の青年会議所運動に追われ心にゆとりが無くなり、倉吉青年会議所の組織の事のみになっていると見受けられます。しかし我々の運動は私達だけで出来る事ではありません。その運動を支えてくれる人、協力してくれる人がいるからこそ、我々の運動が広がっていくのです。会員相互の理解だけではなく、支えてくれる家族や各地青年会議所、他団体と交流を図り、我々の運動をよりたくさんの方々に理解して頂き、共に歩んで行かなければなりません。
「私にとっての青年会議所とは何だろう」と自分自身に問う事があります。私にとっての青年会議所とは、自分自身とどう向き合うか、そして向き合った自分に対してどう行動していくのか、その一念が私の根幹にあります。私は倉吉青年会議所に入会した当時、この青年会議所運動に馴染むことが出来ませんでした。それは私自身の心の中に「会社から行かされている」「今日は面倒だから行かなくてもいい」「他に楽しい事したいから休もう」そんな事を考えていました。そしてそれが行動になって表れ委員会に行かない、例会に行かない、事業に参加しない、そんな自分でした。しかし、そんな自分自身を変えてくれたのも倉吉青年会議所でした。「貴方がいてくれて良かった」「貴方がいたから私も頑張れた」ある事業が終わって数年後に先輩からそんな言葉をかけられました。その時に私はこんな私でも、青年会議所に必要だと言ってくださる人がおられたのだと感激した事を、今でも忘れる事が出来ません。人は人に必要とされるから頑張れる、そして必要とされるためには苦しくても辛くても前に進んで行かなくてはならない。嫌な自分を見つめる事それはつらい事です。しかしこの青年会議所はそんな自分を変えてくれました。自分を叱咤してくれた先輩やメンバーが居ました。自分自身を見つめそして行動する事それは決して難しい事ではありません。ひとつ、ひとつ今の自分に出来ることを自らの意志で考え行動する。そうすれば自分が何を成すべきなのかきっと判ってきます。そして貴方を必要としてくれる仲間や地域が機会を与えてくれます。その想いを持ち続ける事がたくさんの仲間を作り地域を創っていくのです。56年目という新たな年に理事長という素晴らしいチャンスを頂けた事に誇りを持ち、1年間『貴方へ』のスローガンの元邁進していく事をお約束し結びとさせて頂きます。
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